「愛はその人を動かす」  

単立バプテスト 苫小牧キリスト教会 
牧師 小崎 稔

 エホバの証人の子供として生まれ、その組織と関わって20年。エホバの証人をやめてクリスチャンとなって20年。現在、キリスト教会牧師として人生を歩んでいます。私の人生は20歳の時、大きく変わりました。「これこそ真理!」と信じてすべてをささげていたことが、実は誤りであったとわかった時のショックは言葉では言い尽くせないものです。もう何も信じることができない、すべてを疑って見てしまうようになったり、自暴自棄になってしまう人もいるかもしれません。しかし人は何かを信じて生きているのです。神なのか、自分なのか、あるいはお金や物質など、人によって様々ですが、私はやはり絶対的に信じることができるのは私たちを創造した神様しかいないと確信しています。私がエホバの証人をやめた時、そのショックのあまり気が狂いそうになりました。自分を組織に導いた母親を憎み、偽りを語った組織に怒りを心の中でもちましたが、私を立ち直らせたのは神の言葉である聖書でした。私にとって大きな一つの問いは「真理は何か」という事でした。エホバの証人の組織が真理ではないとしたらどこにあるのか? その答えは聖書の中にありました。イエス・キリストは「私が道であり、真理であり、いのちなのです。」と語っています。組織ではなく、人や物質ではなく、イエス・キリストご自身のもとに行くことが真理であり、救いであることを確信することができたのです。そのイエスが私たちの罪を十字架の上で贖って下さって、救いの道を開いて下さったのです。それは神様によって自分が愛されていることを意味しているのです。ショックを受けた暗い心から神様に愛されているという明るい心、希望のある心に変えられました。私たち人間は、自分が愛されていることを知る時、他の人を愛していくことができるのではないでしょうか。私はいつも心に留めている言葉があります。それは「愛はその人を動かす」という言葉です。どんな人に対しても本気で愛を示していくなら、その人は変わってくる可能性があるという事です。特に傷ついている人や愛に飢え渇いている人は、表面上の愛ではなく、うそ偽りのない本当の愛を求めているのです。私はエホバの証人に対しても同じ思いを持っています。彼らを憎むのではなく、愛さなければなりません。彼らは確かにややこしい人たちかもしれません。こちらの話しを聞かない態度をとるかもしれません。しかし愛し続ける必要があるのです。彼らがどのような態度を取ろうとも私たちは変わりなく毅然として愛を示していくなら、すぐに変わらなくてもいつか気づく時があるのではないかと思うのです。確かに忍耐が必要です。彼らと関わると腹立たしく思う時があります。しかし愛を示し続けるのです。
 私は現在、北海道で開拓伝道をしていますが、教会員の所にもエホバの証人がやってきます。教会員には、エホバの証人を心よく受け入れるように、できれば研究生になるように言っています。もちろんそれは、エホバの証人になるのではなく、彼らも救われる魂であるからキリストの愛を示すようにと勧めているのです。そのようにしてエホバの証人と良い関係をもつようにしています。そして自分たちの信仰をはっきりと弁明するようにしています。それは愛という動機から行なっているのです。
私は元エホバの証人として、是非、皆さんにお勧めしたいことは「彼らを愛してください」ということです。エホバの証人一人ひとりは良い人たちです。むしろ彼らは組織の教えにだまされて、マインドコントロールされている犠牲者なのです。ですから、彼らにつらくあたるのではなく、彼らに優しく接してあげていただきたいのです。特にエホバの証人を家族にもつ方々は、彼らとの関わりの中で日々、つらい経験をされているかもしれませんが、彼らに愛を示して見守っていただきたいと思います。彼らが「自分は家族から愛されているんだ」と思っていただけたら成功だと思います。彼らが組織の中で何か壁にぶつかった時、何か疑問を持った時、組織ではなく家族に戻って来ると思います。彼らに戻って来る場所を開けておいていただきたいと思います。またさらに、元エホバの証人の方々にもお勧めしたいことがあります。きっとあなたは精力的にエホバの証人の中で活動されていたと思います。その教えを信じてすべてをささげていたことでしょう。「だまされた」「裏切られた」「傷つけられた」など様々な思いの中にいるかもしれません。しかしあなたは何かを信じていきたいという願いもあるのではないでしょうか?何を信じるかは自由ですが、真理は一つだけだと思います。私は、聖書を通してイエス・キリストが真理であると確信しました。「神や宗教に関わるのは、もう、こりごりだ」と思われるかもしれませんが、ぜひ、真理がどこにあるのかを探求してみて頂きたいと思っています。人生において確信できるものをもって歩んでいくことは、あなたの人生を豊かなものとしてくれると思います。今回、このJWTC通信に記事を書かせていただき感謝します。JWTCがこれからもエホバの証人の救出、およびカルト被害からの救出のために豊かに用いられることをお祈りしています。また、多くのエホバの証人が間違いに気付き、またエホバの証人を家族にもつ家庭に平和がおとずれ、やめられた方々が素晴らしい人生を歩まれますよう心よりお祈りしています。