「カルトに拘わって」   倉敷めぐみキリスト教会牧師  高山正治 「エホバの証人をキリストへ」と言う、願いと祈りによって始められた「JWTC」のお働きが、中澤啓介牧師と多くのスタッフによって今日迄続けられてきたことを心から感謝します。15周年記念おめでとうございます。 私は「JWTC」のテープ受講生としての関わりですが、今回カルト救出活動について何かを書くようにと言う御依頼を受けましたので、微力ながら私がしてきたカルト救出活動について少し述べさせていただきます。 私は今日まで24年間で三か所の教会を牧会しましたが、現在は開拓伝道をしています。以前いた教会では、カルト救出伝道で教会は急成長したので、私の中には、どこに行っても教会は成長するものだという思いがありました。ところが、今回開拓伝道を始めてみてその思いは打ち砕かれ、今は伝道の困難さを思い知らされています。 カルト救出の働きは私が牧師になって24年間変わることなく続いていますが、こちらはいつも多忙で、多くの人たちが救出されました。カルト救出の相談会には全国から多くの人たちが来られて、開拓当初に借りていた集会所では人が入りきれず困っていたのですが祈りが叶い、現在は大きな建物が与えられ、教会の礼拝堂とカルト救出相談会の会場になっています。さらに感謝なことに今年の春には相談者が宿泊できる施設を新築することが出来ました。 私のカルト救出伝道はエホバの証人から始まったのですが、その内統一協会の相談が多くなり、現在は摂理の相談が増えています。 ここで、事例報告として一つのケースを紹介します。 最近関わった摂理信者の救出ですが、この方は信仰歴14年の女性でした。話し合いの場に伯母さんと言う方が同席されたのですが、その方はエホバの証人の研究生でした。 私の説得の手法は、どのカルトにも共通するという話もします。摂理信者の女性との話し合いの中で、年代計算の話になりました。摂理ではダニエル書12:7から「ひと時とふた時と半時」3年半という話をします。一方エホバの証人ではダニエル書4章からネブカデネザルが見た夢、7つの時の計算から1914年説を出すのですよという話をしました。その時伯母さんと言う方が、実は私はエホバの証人と勉強している者ですと言って、自分のことを話してくれました。私がいろいろ話をすると「良くわかりました。このまま続けて良いものかどうか迷っていたのですがもう辞めます」と脱会することを宣言してくれたのです。勿論その後、摂理の女性も辞めることが出来ました。娘の救出カウンセリングの現場で、両親も今まで開いたこともない聖書を真剣に勉強して下さって、良い伝道の機会になりました。今回のケースは、直接教勢には繋がらない水の上にパンを撒くような働きですが、これも主の宣教命令にお従いすることだと思っています。 もうひとつ、統一協会の例をお話しします。 統一協会では昨年から警察の取り締まりが厳しくなり、今までのような悪質な霊感商法がやりにくくなっています。特商法違反で多くの検挙者が出ていますが、統一教会側としても只この事態に手を拱いている訳にはいかないので、救出カウンセラー潰しに総力をあげて取り組んでいます。いわゆる、反牧による「拉致監禁」を許すなというキャンペーンです。私の処も散々やられました。教会の近くで150人ものデモ行進、妨害ビラの配布、礼拝にまで統一協会員が入り込む。彼らの行動に対して、反論すべきことは多々あるのですが、今はじっと堪えて静観しています。 それから私たち「出エジプト会」の働きとしては、2010年3月に、カルトで傷ついた人の休み場として宿泊所を新築しました。 セミナー参加者の宿泊や、脱会者のリハビリに使用されていますが、築後半年を経過しての利用状況は良くありません。殆どの日が開店休業「空き」状態になっていますので、JWTCの皆さまにも是非利用して頂きたいと思っています。使用料は限りなく「ただ」に近い料金です。また、私としては後継者養成を願っていますので、カルトについて学びたい方がおられたら連絡してください。統一協会・摂理・エホバの証人・その他・・カルト救出カウンセリングのノウハウを伝授します。 私は牧師でありながら、カルト問題にあまりにも深入りしすぎたため苦悩している者ですが、 「主の用なり」と命を受けた子ロバの様に、この働きを体力の続く限りさせて頂きたいと思っています。